現役武術選手

貴田 菜ノ花

Kida Nanoha
中国学科 2年

武術太極拳の
魅力を広めたい。
ブレない心で挑戦を続ける
現役武術選手。

小学校の頃から変わらない
武術太極拳への熱い情熱。

現役武術選手の貴田菜ノ花さんが武術太極拳を始めたのは小学校低学年のとき。もともと運動は得意ではなかったのですが、両親の影響でカンフー映画が好きだった貴田さんに、祖母が武術太極拳教室のチラシを持って来たのがきっかけで、身体を動かすことの楽しさに目覚めたそうです。
ただ、当時は今以上に武術太極拳の知名度が低く、周囲から嘲笑されたことも。しかし、それすら前向きなエネルギーに変えて武術に打ち込みました。
練習は、ほぼ毎日。運動会や修学旅行といった学校行事の帰りも道場に足を運んでいたそうです。上級クラスの演武を間近に見る機会にも恵まれ、向上心を持てたことも上達につながったと言います。
努力の甲斐あって、小学6年生のときに日本代表に選抜されてアジアジュニア武術選手権大会に初出場。卒業式では「武術太極拳でオリンピックに出場します!」と壇上で高らかに発表するほど情熱を燃やしていました。
その灯火は今も衰えず、「競技をやめたいと思ったことは一度もありません」と断言します。モットーは「文武両道」。学校と練習の合間に宿題や受験勉強に取り組み、神戸市外大に進学したのです。

悔しさをバネに。
上海で浮き彫りになったふたつの課題。

2017年、高校3年生のときにアジアジュニア武術選手権大会で好成績を収めた貴田さんは、翌2018年に神戸市外大入学を機に、シニア選手に転向しました。
シニア選手として出場した大会は、厳しくもありました。 全日本武術太極拳選手権大会で長拳種目で2位になるも、その後の世界大学武術選手権大会では惜しくも4位に。10月に上海で開催された世界武術選手権大会への出場は叶いませんでした。
悔しさを引きずりながらも観戦のために上海を訪問。そこで目の当たりにしたのは世界トップレベルの選手たちの演武の素晴らしさでした。
「もっと跳躍力を鍛えないと」。世界で戦うための課題が浮き彫りになり、実りある経験になったようです。
また、もうひとつ別の課題も見つかったといいます。それは「語学力」。武術によって中国語に興味を抱くようになり中国学科を選んだ貴田さんですが、現地の人とのコミュニケーションには苦労したそうです。
その悔しさをバネに2018年5月には第18回「漢語橋」世界大学生中国語コンテスト西日本地区予選大会に出場。
合宿中だったため、インターネットを通じて先生に原稿を添削してもらいながら準備を進め、その甲斐あって「以武会友(いぶかいゆう):武を以て友に会うという意」をテーマに武術太極拳の魅力と将来の目標を伝えたスピーチは2位に、文化技芸部門優秀賞も受賞しました。
「中国語の発音表記法『ピンイン』から細かく指導してくれる先生のもとで、さらに力を伸ばしていきたい」と語学習得にも意欲を見せてくれました。

武術太極拳がオリンピック競技に採用される日を夢見て。

「武術太極拳には選手の気迫が詰まっている」と貴田さんは言いますが、それには選手自身が演目の動作を考えることが影響しているのかもしれません。

構成を組み立て、練習を重ね、披露する。そうして観客に感動を与えられたとき、大きな幸せを感じるそうです。

「子どもの頃に憧れた武術太極拳のカッコ良さをたくさんの人に知ってもらいたい」。その思いは人一倍強く、神戸市外大で多様な価値観に触れながら視野を広げ、認知拡大の方法を模索しています。

「練習環境を整えて大会で活躍し、自分が有名になることで演技する場を増やしていきたいです」。そう語った時の眼差しはキラキラと輝いていました。

2020年、インドで開催されるアジア武術選手権大会を皮切りに、武術套路ワールドカップ大会、世界武術選手権大会に照準を合わせている貴田さん。武術太極拳がオリンピック競技に採用される日を夢見て、これからも一途に挑戦を続けます。

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