プロミュージシャン

福田 祐司

Fukuda Yuji
2014年 第2部 英米学科 入学 修士課程 2年

日本の歴史や思想を
音楽の軸として考察する
プロミュージシャン。

社会人入試制度を用いて神戸市外大へ。
養われた「音楽を手がかりに歴史や社会を読み解く視点」。

現在、神戸市外大の大学院生として研究に打ち込む傍ら、UG Noodleの名義でプロミュージシャンとして活動する福田さん。元々は山口県岩国市出身ですが、神戸市外大へ進学を決めたのは、22歳の時。
高校卒業後、ミュージシャンになるために活動拠点を大阪へ移してバンド活動を続ける毎日。音楽を通してさまざまなバックグラウンドを持った人たちと交流を持つようになると、次第に文化や思想について語る同世代の友達が増え、「自分も世の中のことについてもっと勉強して、音楽の幅を広げなきゃいけない。」という想いが湧きました。洋楽をよく聴いていたことや、米軍基地のある岩国で育ったことで、得意だった英語を専門として学ぶことに決め、社会人特別選抜制度を利用して神戸市外大に入学しました。
語学を習得することはもちろん、アメリカ文学をはじめとするさまざまな国の文化や歴史を学んだ4年間。そして、学びの集大成として卒業論文に取り上げたのは「ブラック・アーツ・ムーブメント」という公民権運動の時代にアメリカの黒人たちによって興った芸術運動でした。
以前からジャズやヒップホップといったジャンルの音楽が好きだった福田さん。その音楽が誕生するに至った歴史や思想に迫ってみたいと思ったことが、論文の題材選びのきっかけとなりました。卒業論文の執筆にあたっては、アメリカンポップス史を授業で扱う英米学科のセアドー教授をはじめ、さまざまな教授が福田さんをサポート。大学での学びと音楽を結びつけた福田さんならではのテーマで、入学当初からの目標の1つであった「音楽を手がかりに歴史や社会を読み解く視点」を養うことができたのです。

大学卒業後に修士課程へ進学。
「ブルース」から日本の歴史と思想を紐解く。

大学を卒業後、福田さんは神戸市外大大学院の修士課程へ進学を決めました。卒業論文の中で「ブルース」という音楽ジャンルに興味を持ち、さらに深く掘り下げて学んでみたいと考えたためです。現在は日本アジア言語文化専攻において、山本昭宏准教授のもとで研究を続けています。「日中戦争と大衆文化」をテーマに、戦時体制における文化統制の圧力と流行歌との相関関係を「ブルース」というキーワードによって分析しています。その成果をまとめるべく、修士論文の執筆に取り組む日々。
修士論文では、「別れのブルース」や「東京ブギウギ」などで知られる作曲家 服部良一氏の生きた戦争期の活動に焦点を当てていますが、戦後に歩んだ道のりも辿ることで、その個人史も追究したいと考えています。また、その延長で、日本社会全体を俯瞰し、戦前と戦後の思想や文化に関する理解を深めていきたいと考え、現在、博士課程への進学を検討しています。

「平和」で「平等」な社会づくりを
音楽を起点として考え、実践していく。

夏目漱石の草枕で「とかくに人の世は住みにくい・・・(中略)どこへ越しても住みにくいと悟ったとき、詩が生まれて、画ができる」という文が冒頭にありますが、この感覚が福田さんはとても共感できると言います。
自分と同じように「住みにくい」、いわゆる「生き辛さ」を抱えている人のためにも、少しでもその生き辛さを緩和させるような音楽が作れたらと感じているからです。そのためには、個々が感じる「平和」や「平等」という観念はそれぞれ異なることを知り、深く研究していかねばならないと考えています。そして「時には音楽の方面から研究成果を裏付けしていきたい」と福田さんは話してくれました。

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